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キプロスは、地中海に浮かぶ島国でありながら、ヨーロッパとアジア、そしてアフリカを結ぶ交差路として地理的にとても重要な位置にあり、歴史的にみても大きな役割を果たしてきました。
紀元前2000年の終り頃まで発展し続けたキプロス最初の文明の起源は、今から約9000年以上前にまで溯ります。その後、前12〜11世紀にギリシア系の民族が入植し、この島の文化に多大なる影響を及ぼしました。この時に伝わったギリシアの言語・風俗・芸術、そして伝統は今日に至るまで脈々と受け継がれています。
紀元前333年にアレクサンダー大王の遠征により解放されるまで、キプロスはアッシリア、エジプト、ペルシャなどの侵略と支配に晒されました。そして帝政ローマ時代にはキリスト教を享受し、ビザンチン帝国時代の幕開けと共に、多くの美しい教会や有名な修道院が建てられました。
聖地奪還に向かう第3次十字軍がキプロスを征服し、1571年にオスマン・トルコの支配下に入るまでの間、この島はフランク系王族の領地となり、その後のベネチア支配時代に商業と戦略的な拠点として利用されました。
スエズ運河が1869年に完成すると、その戦略的価値に注目した英国がキプロス支配に着手し、1925年この島を直轄の植民地としました。その後4年間の独立運動を経て、1960年キプロスは共和国として独立を果たしました。
独立の年の8月、キプロスは日本との間に国交を樹立、現在に至るまで両国は友好な関係を保ち続けています。そして1998年には、欧州共同体(EU)への新規加盟に関する協議を行い、次期候補国に指定されました。キプロスは今、欧州諸国と共に新しい未来への第1歩を踏み出そうとしています。
春には南国色の華やかな花々が大地を覆い、実り豊かな木々が丘や谷に彩りを加えます。太陽が降り注ぐ夏には、豊かな穀物が田園を黄金色に染め、秋の訪れと共にハーブや果実、そしてワインの香りが漂い、珍しい苺が真紅の実をつけます。そして穏やかな冬を迎えると、アーモンドの木に花が咲き、シトラス系の果物が実を結びます。やがて山々は雪で覆われ、渡り鳥たちの冬越えの季節がやってきます。
限りなく青い地中海と美しい入り江、緑溢れる森林や山々、なだらかな丘陵と急傾斜の沿岸絶壁の景観、温暖な地中海の気候が生み出す独特の自然は、互いに混ざり合い絵画のように美しい風景を描きます。
豊かな自然を欲しいままにするアフロディーテの国キプロスは、四季折々の美しさに恵まれ一年を通して様々な魅力を持つ、まさにパラダイスと呼ぶにふさわしい、光と彩りに満ちた島です。 |
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